日本文化センター
スポケーン市民に日本文化や日本語の理解を深めてもらい、市民レベルでの草の根交流を進めるために、アメリカ分校の敷地内に設置された施設です。アメリカに分校を持つ日本の大学はいくつかありますが、独立した建物として日本文化センターを持つのは本学のアメリカ分校が初めてです。日本に関心を持つ地元の方々が訪れたり、小・中・高校生が社会の授業の一環として見学に来たりして、にぎわっています。
センターの主な活動は以下の5つの柱からなっています。
(1)図書とビデオによる日本文化の紹介
図書は文化一般だけでなく、政治、歴史、日本語、童話、地図、辞書、雑誌、新聞や日本の各都道府県のカタログなども展示し、日本へ旅行する人に重宝がられています。また日本の紹介ビデオは地元の高校や大学・社会人の日本語クラスでも活用されています。
(2)展示
着物、民芸品、民芸おもちゃ、クラフトなどを常設展示し、日本の生活文化を紹介。見るだけでなく、触って遊べ、楽しめる場になっています。このほか、和紙やポスター、手ぬぐいなどを特別展示することもあります。
(3)催し物
新年会、ひな祭り、春・夏休みの子供の会、クリスマス折り紙などの催しを開催。館内にある茶室では、公開お点前が披露されることもあります。日本料理の講習会も定期的に開かれ、人気の講座になっています。
(4)西宮の紹介
スポケーン市との姉妹都市である兵庫県西宮市のコーナーを設け、西宮を紹介した本や写真、特産物などを展示。西宮ロータリークラブから寄贈された神社のモデルや阪神タイガースのグッズも展示されています。
(5)日米親善人形
昭和初期、日米の険悪な関係を憂えたアメリカ人宣教師がアメリカの人形を親善大使として日本の子供たちに贈り、その返礼として日本の子供たちは1銭ずつ出し合って、日本人形58体をアメリカに贈りました。その日本人形のうち1体がアメリカ分校のあるスポケーン市内の博物館で保存されていることを、JCCの元館長の高岡美知子氏=写真=が知り、日米親善の人形交流を復活させるよう武庫川学院に進言。1992年から、武庫川学院が中心となって、新たな日米間の人形交流が始まりました。
高岡氏は2006年9月に退任するまで、アメリカ各地を訪ね歩き、昭和初期に日本からアメリカに贈られた人形を探し、写真におさめました。JCCの一画には、高岡氏が集めた人形交流の資料も並べられています。